2021-09-23 (Thu)
日本政府は、「2050年までに、温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする、すなわち2050年カーボンニュートラル、脱炭素社会の実現を目指す」ことを宣言しました。
新聞やニュースなどでカーボンニュートラル、脱炭素化の取り組みに対して、様々な表現がされています。カーボンニュートラルと同じような意味で、カーボンネットゼロ、カーボンゼロ、ゼロカーボンなどの言葉が使われることがあります。
しかし、これらの言葉の定義や使い方は、団体などによって違いがあり統一されていないというのが実状のようです。
世界的にも脱炭素社会へむけて舵をきっているのは間違いのない現実です。IoT業界に於いても同じく低消費電力化を具現化するLPWAN市場に注目が集まるのは、当然の流れです。
そこでLoRaWANで低消費電力化を実現するEnergy Harvestingとe-Waste管理を手がける企業についてまとめてみます。

LoRaWANデバイスへの電力供給は、太陽光(太陽電池)、熱、振動、電波などの様々な周囲の電力源から得ることができます。E-wasteは、人間、動物、植物、その他の生物にとってより良い世界を作るために管理されリサイクルされます。
Energy Harvesting
センサーノードのためのエネルギーハーベスティングは、新しい分野になりつつあります。現在、IoTエンドデバイスに電力供給するための電気を生成するために使用できる様々なソースの研究が行われています。収穫されたエネルギーは、例えば、LoRaWANエンドデバイスなど、ほとんどの低電力アプリケーションに最適です。
e-peas社、NOWI社、ルネサスエレクトロニクス社などエネルギーハーベスティング関連企業は、LoRaWANを利用して、周囲のさまざまなソースから最大限のエネルギーを取り出すエネルギーハーベスティングチップを開発しています。
e-peas社のThe Things Conferenceセッション
NOWI社のThe Things Conferenceセッション
収穫されたエネルギーは、充電式バッテリーやスーパーキャパシタなど、さまざまなエネルギー貯蔵素子に蓄えることができます。これらのエネルギーハーベスティングチップは、電池の交換を回避または最小限に抑えることができるため、新しい電池の購入や消耗した電池の廃棄の必要性を減らすことができます。不適切に廃棄された電池は、劣化して液漏れを起こすため、土壌、水、大気の汚染につながります。漏洩した化学物質は土壌を伝わり、地表水や地下水を汚染します。
エナジーハーベスターチップに超低消費電力のマイクロコントローラーを組み合わせることで、収穫したエネルギーをより長く使用することもできます。
ルネサスエレクトロニクス社のエナジーハーベスト機能を利用したLoRaWAN®センサーソリューション
太陽電池(Photovoltaic):太陽光発電は、何十年も前から太陽光から電気を得るために使われています。これらのチップは、光量の少ない屋内から光量の多い屋外まで、エネルギーを収穫することができ、必要に応じて自動的にバッテリーを充電することができます。光の状態にもよりますが、e-peasの太陽光発電チップは、1cm²あたり10μWから10mWの電力を生成することができ、センサーノードに電力を供給するのに十分な量です。
熱:熱エネルギーは、熱勾配のある環境で利用することができます。熱勾配は、温度差と2点間の距離として定義できます。熱源としては、ヒーター、人体、モーター、コンプレッサー、ボイラーなどが考えられます。熱勾配に応じて、e-peasの熱エネルギーハーベスティングチップは、1cm²あたり20μWから10mWの電力を生成することができ、センサーノードに電力を供給するのに十分であると考えられます。
振動:振動電気は、モーター、自動車、人間、機械などの振動源から採取することができます。そのためには振動を収集するチップが必要です。このチップには、ピエゾ振動や電磁ハーベスタなどがあります。これらのチップは、バッテリーを充電するための少量の電力を集めるために使用することができます。
電波:電波を利用した電気の収集は、新しい技術トレンドです。一部の企業は、868MHz(欧州)、915MHz(米国)、920MHz(日本)2.4GHz(WiFi)など、特定の周波数帯からの集電に使用できるチップを開発しています。エネルギー源としては、ラジオ送信機やGSM携帯電話局などが考えられます。
e-Waste管理
e-Wasteは、世界の多くの国で大きな問題となっています。e-Wasteは、あらゆる電子機器がその寿命を終えたときに発生します。これらの電子機器を投棄することは、環境や人間の健康に害を及ぼします。例えば、Agbogbloshieのような埋立地では、e-wasteが無造作に投棄され、電子機器を燃やして金属を取り出すことで生計を立てようとする人々がいます。電子機器に使われていたプラスチックや金属を燃やすことで発生する煙は、非常に有害な化学物質です。
電子機器廃棄物の管理とリサイクルのためのソリューションを提供し、様々な電子機器から金、銀、銅、プラスチック、その他の有用な金属を安全に抽出すると謳っている会社もあります。
クロージング・ザ・ループは、e-Wasteを管理、リサイクル、削減するための革新的なソリューションを導入しました。新しい電子機器を購入またはリースする際に、クロージング・ザ・ループに少額の廃棄物補償料を支払います。この料金は、安全なリサイクルシステムを持たない国々で、同量の電子廃棄物を回収し、リサイクルするために使用されます。回収された電子廃棄物は、地元で適切にリサイクルされるか、ヨーロッパの認定リサイクル施設に輸送されます。これらの廃棄物をリサイクルすることで、新しいデバイスの代金が補償されます。これにより、購入した製品が廃棄物ニュートラルになります。
Energy Harvestingの実践とe-Wasteの管理は、デバイスの寿命を延ばし、所有コストを下げる絶好の機会となります。
独自のLoRaWANエネルギーソリューションを構築することに興味がありますか?
The Things Stackは、オープンソース版LoRaWANネットワークサーバーで、グローバルな公共・民間の展開や、小規模なローカルネットワークでも使用できますので、これを機会にお試しください。

*オープンソース版 The Things Stackサイト
↓↓↓↓↓↓↓
https://github.com/TheThingsNetwork/lorawan-stack
*Dockerでインストール
Docker社がオープンソース形式で公開しているコンテナソフトウェアです。 The Things Stack V3を自前(オンプレミス)や自社が契約しているクラウド環境にインストールする場合、かならず必要となるツールです。
コンテナ技術は、Linuxで主に使われていますが、WindowsやMacintosh上でもDockerをデスクトップ環境で利用しながら、サーバーやクラウド環境に展開することができます。

上記のDocker参考本が、私のような初心者にはとても役立ちました。
*ローカルPCにThe Things Stackをインストールする方法
*マルチテナントなクラウド環境でもDocker composeを使ってThe Things Stack V3をインストールする方法
以上
■The Things Network - LoRaWANをみんなでシェアして使う 新刊本好評発売中!

Johan Stokking (左 The Things Network TECH LEAD=CTO)とWienke Geizeman (右 The Things Network CEO)
*工学社新刊本リンク先
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
https://www.kohgakusha.co.jp/books/detail/978-4-7775-2043-5
◆The Things Network PR Movie【日本語字幕入り】

◆詳細はこちらから....
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https://www.thethingsnetwork.org/country/japan/
*The Things Network販促カタログ
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
http://www.crijapan.jp/TTN_catalog.pdf
◆※例:Dragino製のゲートウェイの設定方法ですが、他社ゲートウェイもほぼ同じやり方でV2からV3に移行できます。
↓
https://wiki.dragino.com/index.php?title=Notes_for_TTN#TTN_v3
◆※Dragino LPS8, LG308, DLOS8ともに同じやり方でV3にゲートウェイ登録できます。注記:Draginoゲートウェイ用ファームウェアを更新する場合、現在お使いのファームウェアを必ずFactory Defaultに設定を戻してから更新してください。そのまま新しいファームウェアを更新すると正しく機能しなくなりますのでご注意ください。
↓
◆※万が一、上記のやり方で登録できない場合は、下記のやり方でGateway EUIを登録してみてください。
↓
https://www.thethingsindustries.com/docs/gateways/dragino-lps8/
◆What is the Packet Broker? 【日本語字幕入り】
◆Migrating devices to The Things Stack【日本語字幕入り】

◆TagoIO Webhook Integration with The Things Stack 【日本語字幕入り】
◆New Device Emulator from TagoIO【日本語字幕入り】
◆Distributing Dashboards with the TagoIO【日本語字幕入り】

◆技適取得済TTN対応ゲートウェイ&センサエンドデバイスを好評販売中!
↓
http://sales.dragino.jp/

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しかし、これらの言葉の定義や使い方は、団体などによって違いがあり統一されていないというのが実状のようです。
世界的にも脱炭素社会へむけて舵をきっているのは間違いのない現実です。IoT業界に於いても同じく低消費電力化を具現化するLPWAN市場に注目が集まるのは、当然の流れです。
そこでLoRaWANで低消費電力化を実現するEnergy Harvestingとe-Waste管理を手がける企業についてまとめてみます。

LoRaWANデバイスへの電力供給は、太陽光(太陽電池)、熱、振動、電波などの様々な周囲の電力源から得ることができます。E-wasteは、人間、動物、植物、その他の生物にとってより良い世界を作るために管理されリサイクルされます。
Energy Harvesting
センサーノードのためのエネルギーハーベスティングは、新しい分野になりつつあります。現在、IoTエンドデバイスに電力供給するための電気を生成するために使用できる様々なソースの研究が行われています。収穫されたエネルギーは、例えば、LoRaWANエンドデバイスなど、ほとんどの低電力アプリケーションに最適です。
e-peas社、NOWI社、ルネサスエレクトロニクス社などエネルギーハーベスティング関連企業は、LoRaWANを利用して、周囲のさまざまなソースから最大限のエネルギーを取り出すエネルギーハーベスティングチップを開発しています。
e-peas社のThe Things Conferenceセッション
NOWI社のThe Things Conferenceセッション
収穫されたエネルギーは、充電式バッテリーやスーパーキャパシタなど、さまざまなエネルギー貯蔵素子に蓄えることができます。これらのエネルギーハーベスティングチップは、電池の交換を回避または最小限に抑えることができるため、新しい電池の購入や消耗した電池の廃棄の必要性を減らすことができます。不適切に廃棄された電池は、劣化して液漏れを起こすため、土壌、水、大気の汚染につながります。漏洩した化学物質は土壌を伝わり、地表水や地下水を汚染します。
エナジーハーベスターチップに超低消費電力のマイクロコントローラーを組み合わせることで、収穫したエネルギーをより長く使用することもできます。
ルネサスエレクトロニクス社のエナジーハーベスト機能を利用したLoRaWAN®センサーソリューション
太陽電池(Photovoltaic):太陽光発電は、何十年も前から太陽光から電気を得るために使われています。これらのチップは、光量の少ない屋内から光量の多い屋外まで、エネルギーを収穫することができ、必要に応じて自動的にバッテリーを充電することができます。光の状態にもよりますが、e-peasの太陽光発電チップは、1cm²あたり10μWから10mWの電力を生成することができ、センサーノードに電力を供給するのに十分な量です。
熱:熱エネルギーは、熱勾配のある環境で利用することができます。熱勾配は、温度差と2点間の距離として定義できます。熱源としては、ヒーター、人体、モーター、コンプレッサー、ボイラーなどが考えられます。熱勾配に応じて、e-peasの熱エネルギーハーベスティングチップは、1cm²あたり20μWから10mWの電力を生成することができ、センサーノードに電力を供給するのに十分であると考えられます。
振動:振動電気は、モーター、自動車、人間、機械などの振動源から採取することができます。そのためには振動を収集するチップが必要です。このチップには、ピエゾ振動や電磁ハーベスタなどがあります。これらのチップは、バッテリーを充電するための少量の電力を集めるために使用することができます。
電波:電波を利用した電気の収集は、新しい技術トレンドです。一部の企業は、868MHz(欧州)、915MHz(米国)、920MHz(日本)2.4GHz(WiFi)など、特定の周波数帯からの集電に使用できるチップを開発しています。エネルギー源としては、ラジオ送信機やGSM携帯電話局などが考えられます。
e-Waste管理
e-Wasteは、世界の多くの国で大きな問題となっています。e-Wasteは、あらゆる電子機器がその寿命を終えたときに発生します。これらの電子機器を投棄することは、環境や人間の健康に害を及ぼします。例えば、Agbogbloshieのような埋立地では、e-wasteが無造作に投棄され、電子機器を燃やして金属を取り出すことで生計を立てようとする人々がいます。電子機器に使われていたプラスチックや金属を燃やすことで発生する煙は、非常に有害な化学物質です。
電子機器廃棄物の管理とリサイクルのためのソリューションを提供し、様々な電子機器から金、銀、銅、プラスチック、その他の有用な金属を安全に抽出すると謳っている会社もあります。
クロージング・ザ・ループは、e-Wasteを管理、リサイクル、削減するための革新的なソリューションを導入しました。新しい電子機器を購入またはリースする際に、クロージング・ザ・ループに少額の廃棄物補償料を支払います。この料金は、安全なリサイクルシステムを持たない国々で、同量の電子廃棄物を回収し、リサイクルするために使用されます。回収された電子廃棄物は、地元で適切にリサイクルされるか、ヨーロッパの認定リサイクル施設に輸送されます。これらの廃棄物をリサイクルすることで、新しいデバイスの代金が補償されます。これにより、購入した製品が廃棄物ニュートラルになります。
Energy Harvestingの実践とe-Wasteの管理は、デバイスの寿命を延ばし、所有コストを下げる絶好の機会となります。
独自のLoRaWANエネルギーソリューションを構築することに興味がありますか?
The Things Stackは、オープンソース版LoRaWANネットワークサーバーで、グローバルな公共・民間の展開や、小規模なローカルネットワークでも使用できますので、これを機会にお試しください。

*オープンソース版 The Things Stackサイト
↓↓↓↓↓↓↓
https://github.com/TheThingsNetwork/lorawan-stack
*Dockerでインストール
Docker社がオープンソース形式で公開しているコンテナソフトウェアです。 The Things Stack V3を自前(オンプレミス)や自社が契約しているクラウド環境にインストールする場合、かならず必要となるツールです。
コンテナ技術は、Linuxで主に使われていますが、WindowsやMacintosh上でもDockerをデスクトップ環境で利用しながら、サーバーやクラウド環境に展開することができます。

上記のDocker参考本が、私のような初心者にはとても役立ちました。
*ローカルPCにThe Things Stackをインストールする方法
*マルチテナントなクラウド環境でもDocker composeを使ってThe Things Stack V3をインストールする方法
以上
■The Things Network - LoRaWANをみんなでシェアして使う 新刊本好評発売中!

Johan Stokking (左 The Things Network TECH LEAD=CTO)とWienke Geizeman (右 The Things Network CEO)
*工学社新刊本リンク先
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
https://www.kohgakusha.co.jp/books/detail/978-4-7775-2043-5
◆The Things Network PR Movie【日本語字幕入り】

◆詳細はこちらから....
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https://www.thethingsnetwork.org/country/japan/
*The Things Network販促カタログ
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http://www.crijapan.jp/TTN_catalog.pdf
◆※例:Dragino製のゲートウェイの設定方法ですが、他社ゲートウェイもほぼ同じやり方でV2からV3に移行できます。
↓
https://wiki.dragino.com/index.php?title=Notes_for_TTN#TTN_v3
◆※Dragino LPS8, LG308, DLOS8ともに同じやり方でV3にゲートウェイ登録できます。注記:Draginoゲートウェイ用ファームウェアを更新する場合、現在お使いのファームウェアを必ずFactory Defaultに設定を戻してから更新してください。そのまま新しいファームウェアを更新すると正しく機能しなくなりますのでご注意ください。
↓
◆※万が一、上記のやり方で登録できない場合は、下記のやり方でGateway EUIを登録してみてください。
↓
https://www.thethingsindustries.com/docs/gateways/dragino-lps8/
◆What is the Packet Broker? 【日本語字幕入り】
◆Migrating devices to The Things Stack【日本語字幕入り】

◆TagoIO Webhook Integration with The Things Stack 【日本語字幕入り】
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